品種・産地

品種~青のりとアオサの違い~

「青のり」と言われるものは、アオノリ属に分類されるウスバアオノリやスジアオノリがあり、高知の四万十川のすじ青のりは高級品としてよく知られています。青のりは、2月から5月の水温の低い春先に成長します。

三重県で養殖が盛んなヒトエグサは、ヒトエグサ属に属しており、佃煮の原料として有名ですが、三重県では、これを「あおさ」「あおさのり」などと呼んでおり、次に紹介する「アオサ」と間違われることがあります アオサは、アオサ属に分類され、青のり同様、お好み焼きのトッピングなどに使用されますが、青のりよりも熱を掛けても香りが飛ばないことから、米菓などで使用する際に重宝されることがあります アオサは青のりと異なり、水温がある程度高い状態で成長するため、三河湾では5月連休明けくらいから、11月くらいまで採取されます。

主に側煮の原料ヒトエグサ属

佃煮の原料として有名です。和名は「一重草(ひとえぐさ)」。流通しているものは100%養殖されたものです。

シワヒトエグサ

縁が著しく縮れていおり、エゾヒトエグサのように袋状にならない。大きなものは40cm程度になるが、通常10-20cmで、海中にある状態では明るい緑色をしている。

エゾヒトエグサ

袋状の体は、成長に従い、先の方から裂けて薄い膜状になります。大きなもので30cm程度、通常は15cm程度で鮮やかな緑色ですが、成熟部分は黄色く変化します。

主にたこ焼の青粉アオサ属

アオサ属は、日本各地に自生しており、浅い海に浮遊している。原藻は、ほぼ天然のものが採取され、たこ焼きやお好み焼きのトッピングに使われています。

アナアオサ

アオサと言えば、たいていはこの種を指し、大量発生がニュースになることもあります。大きさは20-30cmで、成長に従い、体に穴が空くことからこの名前がつきました。

ボタンアオサ

通常は5cm程度でアナアオサに比べるとかなり小さい。牡丹(ぼたん)のように周辺部が波打ち、重なっている。

高級青粉アオノリ属

アオノリ属はアオサ属と似た使われ方をしますが、アオサ属と異なり、養殖がさかんで、値段も10倍くらい違います。

スジアオノリ

四万十川の青のりで有名なスジアオノリは、通常10cm程度の線状の体をしていますが、中には高さ70cm、太さが1cm程度になるものもあります。

ヒラアオノリ

ボウアオノリに似ていますが、体の基点から細い葉をのばすところが異なります。30-100cm程度まで成長します。

ボウアオノリ

養殖はされず、ほとんどが天然ものとなっており、10cm程度と他のアオノリに比べると小さい。体は円柱状であまり分枝しません。

ウスバアオノリ

スジアオノリやヒラアオノリは、1層の細胞層でできていますが、ウスバアオノリは縁辺部と基部を除いて2層からなります。高さは10-30cm程度、巾は2-5cmになります。

ヒメアオノリ

アオノリ属としては小さく、高さ15cm、巾は2mm程度にしかならない 基部から放射状に葉体が伸びますが、枝分かれがほとんどありません。

IQ品目について

国内産業保護のため、国が管理し、輸入が制限されている食品は、非自由化品目(IQ:import quota)と呼ばれ、一定期間に輸入できる総量が規定されています。
この中には、「食用海藻」や「海藻の調整食料品」が含まれており、経産省が輸入の承認を行っています。ヒトエグサやアオノリはこのIQ品目に指定されているため、輸入に当たっては注意が必要です。

産地

日本で流通している青のり・アオサには、主に以下の産地があります。

すじ青のり 徳島県産、岡山県産
うすば青のり 愛媛県産、海外産(中国)
アオサ 三河湾産、海外産(中国)

アオサは日本全国で見かけられますが、株式会社福井では地元伊勢湾産を中心に取り扱っております。
また、人工栽培されたものではなく全て天然もので、波の穏やかな浅い海で採取されている天然のアオサを扱っています。

引用・参考文献
海苔Press(発行・企画編集:海苔で健康推進委員会)