品種・産地

株式会社福井で扱う海老は、小型の海老を天日または機械で乾燥した素干、煮干製品です。 いずれのエビも干し海老であることから、生エビにはない独特のうまみや味わいがあり、姿、粉砕品、微粉などの形態で御提供させていただくことで、多様な使い方が可能となっています。
小海老(アキアミ) 瀬戸内海などで獲れる2cm程度の風味豊かな海老
海老粉(ツノエビ) 桜海老に似た5cm程度の香りの強い海老
桜海老(サクラエビ) 国内では駿河湾産、国外では台湾の一部でしか取れない高級品
ムキエビ(アカエビ) 中国で生産される良い出汁が出る海老

小海老(アキアミ)

例えば、スーパーなどでみかける「小海老」は、アキアミと呼ばれるサクラエビ科に属する小型のエビで、瀬戸内海のものが特に有名ですが、富山湾や三河湾、有明海などでも漁獲されています。このアキアミは、釣りの撒き餌に使われる「オキアミ」とはまったく異なる種類になります(※)。 ※オキアミは、オキアミ目に属する甲殻類で、魚醤や塩辛、干し海老などの食用、養殖用、クジラ類の主要な餌として知られています。 アキアミは、瀬戸内海のものが特に有名ですが、富山や三河、有明海などでも漁獲されています。 また、国外では、インド、ベトナム、フィリピン、台湾などで同種のエビが漁獲され、国内に出回っています。海老特有の風味としては上品な部類で、練込生地などにした場合、やさしい味となります。

海老粉(ツノエビ)

株式会社福井で海老粉と呼んでいるエビは、フィリピンなど南西諸島で漁獲されるチヒロエビ科のエビで、香りが特に強いことが特徴です。 この海老は、2mmから8mm程度の粉砕品が米菓の練込などに主に使われています。

桜海老(サクラエビ)

サクラエビは、国内では駿河湾産でのみ漁獲され、高級品として知られていますが、台湾でも漁獲され、国内に流通しています。 サクラエビ漁の歴史は、明治時代以降と浅く、アジの網引き漁を行っていた際に誤って網が深く沈み、偶然サクラエビが漁獲されたことからはじまったとされています。本種は、深海性のエビで、昼夜に鉛直移動することが知られています。 漁期は、春と秋で、年々漁獲が減っているために資源管理がきっちりと行われています。 干し海老にすると、独特の食感と味があり、見た目にも薄い飴色の殻に頭部の芯にルビーのような赤い色が食欲をそそります。

ムキエビ(アカエビ)

ムキエビは、赤海老ともいわれ、名前の通り頭と殻を落とし、むき身の部分のみの製品です。 株式会社福井では、味付海苔の出汁用に使用していますが、ミルクのような濃厚な味わいがあり、そのうまさは折り紙つきです。 ムキエビは、香りの点では、ほかの干し海老に比べ劣りますが、味については一押しと言えます。