加工方法・用途
青ばら(あおさのり)加工方法・用途
青ばらは、9月ごろ種付け網を海に張り、天然の胞子を網に着生させ、冬から春にかけて伸びた原藻を刈り取ります。
三重県では、1月半ばから2週間ごとに入札が8回程度あり、生産者の方々は、その日程に合わせて製品を準備されます。
網から伸びた原藻は、一度網ごと陸上に持ち帰って網から外し、低温の乾燥棚で乾燥させるやり方が一般的です。
乾燥棚で20%程度の水分に仕上げた原藻は、120cm×60cm程度のシート状になっており、これを3つ折りにして専用のダンボールに詰めるため、バームクーヘンのように層状にはがれます。
青ばらは、洗い方の違いで、「水洗い」「汐洗い」があり、「水洗い」は真水洗いしたもの、「汐洗い」は海水洗いだけのものを言います。
水洗いは、表面の塩分を洗うため、仕上がりが見栄えよくツヤ感がありますが、製造時の歩留まりが悪いため割高です。
このため、水洗いは「葉売り」と呼ばれる、手のひら大の塊を袋詰めにした商品で使われることが多いです。
汐洗いは、どちらかというと業務用途で使われることが多く、10-20ミリ程度に粉砕したものが流通しています。
汐洗い品は粉砕しているので、ツヤ感などはわかりずらいですが、味や香りは水洗い品と大きく変わらないのでお得感があります。
青ばらは、緑の色が濃いものと薄いものがありますが、これは生育環境の違いで色味が変化すると言われています。
例えば、同じ生産地の同じ生産者の張っている網で、上下二枚で太陽のあたりが強いものは薄い緑、下側は濃い緑になるそうです。
それ以外にも栄養塩や水温、塩分などの条件によって、色味が変わると言われています。
青ばらは、味噌汁の具材、佃煮、てんぷら、ふりかけ、炊き込みご飯などいろいろな使われ方があります。
乾燥品は、水戻しで10倍程度に膨らむため、味噌汁の具材として使う場合は、ひとつまみ程度で結構なボリュームになります。
使う際の注意点は3つ
ひとつは、わらくずやテグスなど、異物が見つかることがあるので注意すること。
もうひとつは、あまり煮込むと香りが飛ぶので、味噌汁などで使う場合、食べる直前に入れること。
乾物のため保存がききますが、光や湿気に弱いため冷蔵庫での保管をお勧めします。