産地・等級・種別・品種

産地

日本で流通している海苔には、主に以下の産地があります。
宮城 松島湾、石巻湾の外洋部が主な産地です。
千葉 東京湾地区の主力漁場として本場ブランドを格付けされた産地です。香りの良い海苔が特徴です。
伊勢湾 北は伊勢湾奥部の木曽川河口域の桑名地区から、南は伊勢湾湾口部の鳥羽までが黒海苔養殖を、鳥羽以南はアオノリ類(ヒトエグサ)の養殖を主に行っています
瀬戸内 業務用の一大産地で、生産数量としては全国の約3割を占めています。
九州地区 有名な「有明海苔」ブランドのある産地です。生産数量としては全国の約4割を占めています。
外国産 中国産、韓国産があります。

等級

地方によって分け方が異なりますが、本等級で7段階、別等級なら2~5段階で格付けされ荷口が分けられています。 地方ごとに異なる複雑な格付けが問題にならないのは、共販が地元生産者と入札業者の間だけで行われているためであり、複雑な呼称の多様化は、流通業界からの要望が原因となっています。 ただ、この現状について、憂慮する流通業者や加工業者に少なからずいることは確かです。

種別

種別の基準は、地方によりまちまちですが、代表的なものを紹介します。
「冷」「新」「浮」等 養殖方法(浮流し、支柱)、時期(冷凍初回など)を示す
「チ」・「縮」 軽度の縮み
「A」 赤芽の混入
「B」・「ク」・「くもり」 軽微なくもり
「C」 珪藻混入
「シ」・「カ」 死葉の混入
「○」・「D」 軽微な穴あき
「ヤ」・「破」 破れ
「別」 草いたみ、腐れ、くもり、塩分
「エビ」 ワレカラ少ない
「外」・「別口」 交、特、別の顕著

海苔の検査時

品種

海苔の品種には、アサクサノリ、スサビノリ、ナラワスサビノリがあります。

アサクサノリ(浅草海苔、学名 Porphyra tenera)

アサクサノリは、ウシケノリ科アマノリ属に分類される紅藻類の海藻(海苔の一種)で、江戸時代に隅田川下流域で養殖された江戸名産のひとつです。 味、香り共に一級品ですが、養殖に非常に手間がかかり、また、傷みやすく病気にもかかりやすいため養殖が難しい海苔です。このため希少であり、高級品となっています。

スサビノリ(荒び海苔、Porphyra yezoensis)

スサビノリは、ウシケノリ科アマノリ属に分類される紅藻類の海藻(海苔の一種)です。 海苔養殖の対象として最もよく用いられている品種です。

ナラワスサビノリ(奈良輪荒び海苔、Porphyra yezoennsis form. narawaensis)

ナラワスサビノリは、アサクサノリと比較して繁殖力が強く、生育が早く育てやすい特徴があり、全国的に海苔の養殖品種となっています。 品種改良により各種の栽培品種が作られています。アサクサノリとの交配により、食味が良く病気に強い品種もあります。
引用・参考文献 海苔Press 発行・企画編集 海苔で健康推進委員会 日本藻類学会創立 50 周年記念出 川村嘉応 大野正夫