業務用商品

商品開発

株式会社福井で扱いのある製品のうち、海苔は、その形態・利用方法が江戸時代にはほぼ完成しており、バリエーションとしては刻海苔や味付海苔がある程度です。
このため、日本人の中で海苔の利用方法と言えば、寿司巻きかおにぎりくらいに固定化されているのが現状です。

海苔は、大人から子どもまで嫌いな人があまりいない食品であり、利用方法が広がれば、消費は一段と増える可能性が高いと思われます。

そのためには、開発するわたしたち自らが、海苔=板海苔という発想から一度抜け出し、海苔という食品をゼロから考え直す、という認識のもとから自由な発想をすることで、新たな商品が生まれると考えています。

固定観念から抜け出す簡単な方法は、固定観念のない人を巻きこむのが一番です。たとえば、まったく異業種のプロをプロジェクトに取り込むことで、自由な発想、常識を覆す革新的な商品が生まれる、というわけです。

株式会社福井では、現在、産学連携プロジェクトなどを活用し、海苔の新たな商品作りに挑んでいます。

願わくば、江戸時代から続く板海苔に並ぶ、もうひとつの海苔の商品化。「その手があったか!」と思わせる、他にはない商品を生み出したいと日々考えています。

開発秘話

青混ぜ味付海苔

磯音で販売中の青混ぜ味付海苔「磯の碧」

青混ぜ海苔は、普段食べている海苔に自然の青のり(スジアオノリ)が1~3割混ざった特別な海苔です。

この海苔は、愛知や千葉などの一部の地域でしか作られていません。 また、青混ぜ海苔は、冬の寒い時期に採れる海苔と寒さに弱い青のりが同時に採れる11月から12月のごく短い期間しか作られないため、非常に希少価値が高く、普段お目にかかれない逸品です。

青混ぜ海苔は、普通の海苔に比べると、圧倒的に磯の香りが強く、海苔と青のりのそれぞれの特徴が合わさった非常に良い香りがします。

全国的にみると、青混ぜ海苔は関東方面の方に人気があるようですが、このおいしさは、関東の方限定にしておくにはもったいないと思います。

海苔屋でもあまり取り扱いがない、この青混ぜ海苔をぜいたくにも味付海苔に仕上げたのが、「青混ぜ味付海苔」です。 ネーミングにひねりがない、まったくの直球で、いささか不本意ではありますが、並みの味付海苔では満足できない方々、ならびに青混ぜが好きな方、この本文を読まれて興味をもたれたあなたに、是非味わっていただきたいと思います。

異物選別機

生産者段階の海産物はさまざまな異物が混入していることがあり、「異物除去(安全・安心への取り組み)」で紹介しているように、弊社での異物選別がかかせません。

とりわけ、アオサ・青のりは、数ミリ程度の粉砕品であるため、異物も細かいものが多く除去がたいへんです。現状では、篩、色彩選別機、磁石、金属検出機、X線異物検出機、目視選別などさまざまな方法で対応していますが、繊維状異物や透明フィルム類、アオサと同色系の異物など除去が難しいものがまだまだあります。

これらの異物のなかで繊維状異物は、とりわけ解決が望まれるやっかいな異物で、篩を縦落ちすることで、数センチ程度の長いものでも、製品に混入する場合があります。このため、さまざまな方式の選別機を検討してきましたが、いずれも時間当たりの処理量の問題や異物の除去率がいま一つで、導入には至りませんでした。

そこで、自社内の異物選別方法のアイデアを近くの精密機器メーカーに持ち込み、今までにない方式の選別機を一から作り上げることにしました。現在(2011年9月時点)、小型の試作機はほぼ完成し、時間あたりの処理量は30-40kg程度見込めること、1cm弱までのテグスを高効率に除去することなどを確認しています。現状のラインに本方式の異物選別機を追加するためには、処理量他さまざまな問題がありますが、少しでも早くこの問題を解決できるよう努力する所存です。